オリジナル解説 / ぶどう膜
眼内リンパ腫(仮面症候群)—「治りにくいぶどう膜炎」に潜む悪性腫瘍
ぶどう膜炎の仮面をかぶる
眼内リンパ腫(多くは硝子体網膜リンパ腫、vitreoretinal lymphoma)は、ぶどう膜炎に似た症状で発症する悪性腫瘍で、マスカレード症候群(仮面症候群)の代表である。多くは中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)と関連し、生命予後にも直結する。「ステロイドで一時的に良くなるが、減らすと再燃する高齢者のぶどう膜炎」を見たら、必ず候補に挙げるべき疾患である。
疑うべき臨床像
- 50〜60代以上の、霧視・飛蚊症を訴えるぶどう膜炎様の病像。
- 硝子体混濁(オーロラ状・シート状の細胞)、網膜色素上皮下の黄白色浸潤(クリーム状病巣)。
- 前房内炎症は比較的乏しいのに硝子体・網膜病変が目立つ、という不釣り合い。
- ステロイドに一時反応するが再燃する(腫瘍細胞がステロイドで一時的に減るため)。
- 中枢神経症状(認知・運動・脳神経)を伴う、あるいは後から出現する。
診断
- 画像:OCTでの網膜色素上皮下の高反射沈着、眼底自発蛍光の斑状変化。
- 硝子体生検(診断的硝子体手術):細胞診が中心だが、腫瘍細胞は脆く採取・判定が難しい。ステロイドを休薬してから採取する(ステロイドが細胞を溶かし偽陰性を招く)。
- 補助診断:硝子体・房水のIL-10/IL-6比の上昇(IL-10優位)、IgH遺伝子再構成、MYD88変異などの分子検査。
- 全身・中枢の評価:頭部造影MRI、髄液検査、必要に応じ全身検索。脳神経内科・血液内科・放射線科との連携が前提。
治療
- 中枢神経の合併の有無で治療体系が変わる。眼限局か、中枢を含むかで、局所治療(メトトレキサートやリツキシマブの硝子体内注射、眼局所放射線)と全身化学療法(高用量メトトレキサートを含むレジメン)を組み合わせる。
- 血液内科・脳神経内科が主導し、眼科は診断(生検)と眼局所治療・経過観察を担う。
実務のまとめ
- 高齢+硝子体混濁+「ステロイドで良くなるが再燃」→ 眼内リンパ腫を疑う
- 生検はステロイド休薬後に行い、IL-10/IL-6比・分子検査を併用
- 頭部MRI・髄液で中枢病変を評価し、血液内科・脳神経内科と連携
- 「難治性ぶどう膜炎」を漫然と免疫抑制で追わない——見逃しは予後に直結
関連リンク
- 眼内リンパ腫について(ぐちょぽい 専門医ノート)
- 眼内悪性リンパ腫ってどんな病気? 症状から診断・治療法まで解説(メディカルノート)
- 硝子体混濁(しょうしたいこんだく)(江坂まつおか眼科)
- ぶどう膜炎と分子標的薬(オンライン眼科 Dr.K)
主な参考:日本眼炎症学会・日本網膜硝子体学会の関連総説/硝子体網膜リンパ腫の診断(IL-10/IL-6、MYD88 L265P)に関する報告/EyeWiki "Primary Vitreoretinal Lymphoma"。診断・治療は血液内科・脳神経内科と連携して進めること。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)