オリジナル解説 / ぶどう膜
ベーチェット病の眼病変 —発作の抑制と生物学的製剤
疾患の輪郭
ベーチェット病は、再発性口腔内アフタ性潰瘍・皮膚症状・外陰部潰瘍・眼症状を主症状とする全身性炎症性疾患である。シルクロード沿いの地域に多く、HLA-B51 との関連が知られる。眼病変は男性・若年発症例で重症化しやすいとされ、発作(attack)を繰り返すたびに不可逆的な組織障害が蓄積するのが最大の特徴である。
眼所見
- 前眼部型:急性の虹彩毛様体炎。前房蓄膿(hypopyon)は無菌性で、体位で移動しやすくフィブリン析出に乏しいのが典型とされる。強い充血・眼痛を伴う。
- 後眼部型(網膜ぶどう膜炎):網膜血管炎(動静脈いずれも侵し、閉塞性となる)、網膜浸潤斑、硝子体混濁。発作性に出現し、数日〜1、2週で自然に軽快するが、そのたびに網膜が傷む。
- 蓄積する後遺症:網膜血管の白線化・閉塞、視神経萎縮、黄斑変性・黄斑浮腫、続発緑内障、併発白内障。
「治まったから大丈夫」ではなく、発作の回数そのものを減らすことが治療目標になる、という理解が臨床判断を分ける。
診断
厚生労働省研究班の診断基準(主症状・副症状の組み合わせ)に基づき、臨床所見で診断する。特異的な検査はなく、HLA-B51 は補助的な位置づけ。感染性ぶどう膜炎(ヘルペス、結核、梅毒)や眼内リンパ腫の除外は必須である。全身では消化管病変(腸管型)、血管型、神経型の評価を内科・関連科と共有する。
治療
- コルヒチン:発作予防の基本薬として広く用いられる。
- シクロスポリン:眼発作の抑制に有効だが、神経ベーチェットを誘発・悪化させうるため、神経症状のある例では避ける。腎機能・血圧の監視が必要。
- 生物学的製剤(TNF阻害薬):インフリキシマブは難治性網膜ぶどう膜炎に対して国内で承認され、眼発作を大きく減らして視力予後を改善した。アダリムマブも非感染性ぶどう膜炎に用いられる。導入前に結核・B型肝炎などのスクリーニングを行う。
- 副腎皮質ステロイド:発作時の局所投与(点眼・Tenon 嚢下)は有用。全身投与は減量時の再燃が問題となりやすく、漫然と続けない。
- 発作時の対応:ステロイド点眼+散瞳薬で前眼部炎症を抑え、後眼部発作では全身治療の強化を検討する。
経過を見るときの視点
- 発作日誌の要領で、発作の頻度・程度の推移を追う。治療変更の効果は「発作が減ったか」で評価する。
- 黄斑と視神経の状態(OCT・視野)を定期的に記録し、不可逆的変化の進行を把握する。
- 口腔・皮膚・関節・消化器症状の再燃は眼発作の前触れになりうるため、他科と情報を共有する。
関連リンク
- ぶどう膜炎と分子標的薬(オンライン眼科 Dr.K)
- ぶどう膜炎と白内障(たまプラーザやまぐち眼科 院長ブログ)
- 『急性網膜壊死』(臨床眼科 79巻11号)(宮田眼科病院)
- HLA-B27 関連ぶどう膜炎(目医者情報)
主な参考:厚生労働省ベーチェット病診断基準・診療ガイドライン/日本眼炎症学会「ベーチェット病眼病変診療ガイドライン」/インフリキシマブの国内承認に関する報告/EyeWiki "Behçet Disease"。薬剤の適応・投与量は添付文書と最新のガイドラインを確認されたい。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)