オリジナル解説 / ぶどう膜

サルコイドーシスの眼病変 —診断基準と治療の進め方

位置づけ

サルコイドーシスは非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を特徴とする全身性疾患で、日本におけるぶどう膜炎の原因として最も頻度の高い疾患の一つである。中高年女性に多く、眼症状が初発となって内科的診断につながることも珍しくない。眼科医が「疑って、全身検査へ渡す」役割を担う疾患である。

眼所見(診断の手がかり)

前眼部から後眼部まで、肉芽腫性の炎症として現れる。

  • 豚脂様角膜後面沈着物(mutton-fat KP)、前房内炎症
  • 虹彩結節(瞳孔縁の Koeppe 結節、虹彩実質の Busacca 結節)、虹彩後癒着
  • 隅角結節、テント状の周辺虹彩前癒着(PAS)
  • 硝子体混濁:雪玉状(snowball)、数珠状(string of pearls)
  • 網膜静脈周囲炎と血管周囲の滲出斑(蝋様滲出斑、いわゆる candle wax drippings)
  • 多発する網脈絡膜滲出斑視神経乳頭肉芽腫

これらは日本のサルコイドーシス診断基準における眼病変の特徴的所見として整理されており、複数が揃うほど疑いは強くなる。

全身検査

眼所見からサルコイドーシスを疑ったら、次の検査を組み立てる(呼吸器内科との連携が前提)。

  • 胸部X線・胸部CT両側肺門リンパ節腫脹(BHL)
  • 血清 ACE可溶性 IL-2 受容体(sIL-2R)、血清・尿中カルシウム
  • ツベルクリン反応の陰転化
  • ガリウムシンチグラフィまたは FDG-PET
  • 気管支肺胞洗浄液(BAL)のリンパ球増加・CD4/CD8 比上昇
  • 心病変(心電図・心エコー・心臓MRI)の評価。心サルコイドーシスは予後を左右するため、見逃してはならない。

確定診断は生検による肉芽腫の証明だが、眼所見+全身の検査所見の組み合わせで臨床診断とする枠組みが用いられる。

鑑別

結核性ぶどう膜炎(肉芽腫性で類似、インターフェロンγ遊離試験・胸部画像で鑑別)、梅毒Vogt–小柳–原田病多発性硬化症関連ぶどう膜炎眼内リンパ腫(masquerade syndrome)を鑑別する。特にステロイドで一時的に改善する眼内リンパ腫は、「効くが再燃する」経過で疑う。

治療

炎症の部位と活動性で段階を選ぶ。

  1. 前部の炎症:ステロイド点眼+散瞳薬(虹彩後癒着の予防)。
  2. 中間部・後部の炎症、黄斑浮腫:Tenon 嚢下・結膜下ステロイド注射。
  3. 両眼性で視機能を脅かす活動性炎症、全身病変(心・神経)を伴う場合ステロイド全身投与。減量に伴う再燃には免疫抑制薬(メトトレキサートなど)を併用することがある。

続発症の管理も治療の一部である。ステロイド緑内障・炎症による続発緑内障併発白内障黄斑浮腫血管新生を定期的に評価する。眼圧上昇は「原疾患か薬剤か」の両面から考える。

経過

自然寛解する例がある一方、慢性に経過して視機能を損なう例もある。再燃を前提にした長期フォローと、内科と共有した治療方針が要となる。

関連リンク


主な参考:日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会・厚生労働省研究班のサルコイドーシス診断基準(眼病変の項)/日本眼炎症学会の関連指針/EyeWiki "Ocular Sarcoidosis"/International Workshop on Ocular Sarcoidosis (IWOS) 基準。検査項目・診断基準は改訂されるため最新版を確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)