オリジナル解説 / ぶどう膜
交感性眼炎 —片眼の外傷・手術が両眼を脅かすとき
「もう片方の目」を守るための知識
交感性眼炎(sympathetic ophthalmia)は、片眼の穿孔性外傷や内眼手術の後に、両眼性の肉芽腫性汎ぶどう膜炎が起こる、まれだが重篤な病態である。誘因となった眼(起因眼 exciting eye)だけでなく、健側だったもう片方の眼(交感眼 sympathizing eye)まで失明の危機にさらされる点が、この疾患の本質的な怖さである。自己免疫機序(露出したぶどう膜・網膜抗原への感作)が想定されている。
いつ・どんな症状で起こるか
- 発症時期:起因となる外傷・手術から数週〜数か月が多いが、数日から数十年まで幅широく、長期にわたりリスクが残る。
- 誘因:穿孔性眼外傷が古典的。加えて、内眼手術(硝子体手術・毛様体破壊術など)の反復も誘因になりうる。
- 症状:両眼の霧視・羞明・眼痛・充血・調節障害。健側眼の見え方の変化に注意する。
所見
- 両眼性の肉芽腫性ぶどう膜炎:豚脂様角膜後面沈着物、前房内炎症。
- 後眼部:Dalen-Fuchs結節(網膜色素上皮レベルの黄白色斑)、乳頭腫脹、漿液性網膜剥離、脈絡膜肥厚。
- 臨床像はVogt-小柳-原田病に類似する(本サイトの原田病の記事参照)が、外傷・手術の既往が鑑別の決め手になる。
予防と治療
- 予防が最重要:修復不能な穿孔性外傷眼では、視機能の回復が望めない場合に早期の眼球摘出(enucleation)が交感性眼炎の予防として議論される。ただし「摘出すれば必ず防げる」わけではなく、発症後の摘出の意義は限定的とされ、判断は慎重に、本人・家族と十分に相談して行う。
- 治療:発症したら高用量ステロイド全身投与で炎症を抑え、免疫抑制薬(メトトレキサート、シクロスポリンなど)・生物学的製剤を併用して長期に管理する。
- 長期フォロー:再燃を繰り返しうるため、交感眼の視機能を守ることを目標に息の長い治療を行う。
実務で押さえること
- 穿孔性外傷・内眼手術の既往がある患者が両眼性ぶどう膜炎を呈したら交感性眼炎を疑う
- 健側(交感眼)の視機能を守るのが治療の最終目標
- 修復不能な外傷眼の取り扱い(摘出の是非とタイミング)は、予防効果の限界も含めて慎重に相談
- 原田病との鑑別は外傷・手術歴が鍵
関連リンク
- 眼外傷のポイント(オンライン眼科 Dr.K)
- 眼球破裂、眼球穿孔の視機能予後スケール・スコア(めだまにあ)
- 脈絡膜破裂 Choroidal rupture(目医者情報)
- 化学眼外傷(さくら眼科)
※関連リンクは交感性眼炎の主な誘因である「眼外傷」に関する解説です。
主な参考:EyeWiki "Sympathetic Ophthalmia"/日本眼炎症学会の関連総説/交感性眼炎の発症時期・予防的眼球摘出に関する報告。予防的処置の適応は個々の症例で慎重に判断し、患者・家族と十分に相談すること。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)