オリジナル解説 / ぶどう膜

急性前部ぶどう膜炎とHLA-B27 —全身疾患を見つける入口

典型像

急性前部ぶどう膜炎(acute anterior uveitis; AAU)は、急激に発症する眼痛・毛様充血・羞明・視力低下を呈する前眼部の炎症である。片眼性で、再発のたびに左右が入れ替わる(交代性)のが特徴的で、非肉芽腫性の細かい角膜後面沈着物、強い前房内炎症(フィブリン析出や前房蓄膿を伴うことがある)、虹彩後癒着を認める。

前房蓄膿を見たときは、感染性眼内炎(内因性・術後)とベーチェット病を必ず頭に置く。AAU の蓄膿はフィブリンに富んで固まりやすいのに対し、ベーチェット病ではさらさらと移動しやすいとされる点が、病歴とともに手がかりになる。

HLA-B27 との関連と全身疾患

AAU の相当数が HLA-B27 陽性で、以下の脊椎関節炎(spondyloarthritis)と関連する。

  • 強直性脊椎炎3か月以上続く腰背部痛、朝のこわばり、動くと軽快する痛み。若年男性に多い。
  • 反応性関節炎:先行する尿路・腸管感染。
  • 乾癬性関節炎:皮膚・爪の乾癬。
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・Crohn 病)に伴うぶどう膜炎。

眼科での問診がそのまま未診断の全身疾患を拾い上げることになる。「腰痛はありませんか」「朝の背中のこわばりは」「皮膚や爪の変化は」「下痢や血便は」を、再発性 AAU では定型的に尋ねたい。該当があればリウマチ内科・消化器内科へ紹介する。

検査

  • HLA-B27:陽性なら脊椎関節炎の検索を後押しする(陰性でも否定はしない)。
  • 感染症の除外:梅毒血清反応、ツベルクリン反応/IGRA、胸部X線。サルコイドーシス(肉芽腫性所見・ACE・sIL-2R・胸部CT)も鑑別に入れる。
  • ヘルペス性を疑う所見(眼圧上昇を伴う虹彩炎、部分的な虹彩萎縮、角膜知覚低下、片眼で再発性)があれば、抗ウイルス薬の適応が変わるため区別する。
  • 若年・両眼性・慢性経過なら JIA 関連ぶどう膜炎、高齢で遷延するなら眼内リンパ腫を考える。

治療

  1. ステロイド点眼を十分な頻度で開始する(重症例では 1〜2 時間ごと)。中途半端な頻度で長引かせるより、しっかり効かせて速やかに漸減する方が合併症が少ない。
  2. 散瞳・毛様体麻痺薬(トロピカミド、アトロピンなど)で虹彩後癒着の予防と疼痛の緩和を図る。すでに癒着していれば、散瞳薬の強化で解除を試みる。
  3. 反応が乏しければ、Tenon 嚢下ステロイド注射や全身投与を検討する。
  4. 経過中に必ず眼圧を測る。炎症そのものによる上昇とステロイド反応の両方があり、点眼を強めた 2〜4 週後は特に注意する。
  5. 再発を繰り返す例では、全身疾患のコントロール(内科治療)が眼の再発頻度を左右する。難治例では免疫抑制薬・TNF阻害薬が検討される。

予後

適切に治療されれば視力予後は概ね良好だが、虹彩後癒着、続発緑内障、併発白内障、嚢胞様黄斑浮腫が視機能を損なう。「痛みが取れたら自己判断で点眼を止める」ことが再燃と癒着の原因になりやすいため、漸減スケジュールを紙で渡すなどの工夫が有効である。

関連リンク


主な参考:Standardization of Uveitis Nomenclature (SUN) の分類/日本眼炎症学会の関連指針/脊椎関節炎の分類基準(ASAS)/EyeWiki "HLA-B27 Associated Uveitis"。薬剤の用法は添付文書に従い、全身疾患の評価は関連科と連携されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)