オリジナル解説 / 網膜硝子体

網膜動脈閉塞症(CRAO/BRAO)—「眼の脳梗塞」への緊急対応

眼の救急、そして全身の警告

網膜動脈閉塞症は、網膜を養う動脈が詰まって突然の無痛性視力低下を来す疾患である。網膜中心動脈閉塞(CRAO)は「眼の脳梗塞」とも呼ばれ、視力予後は不良なことが多い。同時に、脳梗塞・心血管イベントの強い警告でもあり、眼の治療と並行して全身の緊急評価が要る点が最大のポイントである。

病型と所見

網膜蒼白+中心窩の cherry red spot
図1. CRAOの眼底(模式図)。網膜の白濁の中で、脈絡膜が透けて見える中心窩が赤く残る(cherry red spot)。
  • CRAO(網膜中心動脈閉塞):突然の高度な片眼視力低下RAPD陽性。眼底は網膜の白濁(浮腫)中心窩の cherry red spot
  • BRAO(網膜分枝動脈閉塞):閉塞枝に一致した部分的視野欠損。中心を外れれば視力は保たれることも。
  • 一過性黒内障(amaurosis fugax):数分間の一過性の片眼視力消失。頸動脈狭窄・塞栓源の警告で、CRAOの前触れになりうる。
  • 毛様網膜動脈の残存があると中心視力が保たれることがある。

原因

  • 塞栓:頸動脈プラーク、心原性(心房細動・弁膜症・心内膜炎)。網膜動脈内にHollenhorst plaqueを見ることがある。
  • 巨細胞性動脈炎(GCA)高齢者では必ず除外。ESR/CRP・全身症状を確認し、疑えば緊急ステロイド。
  • 凝固異常・血管炎(若年例)。

対応(時間との勝負+全身評価)

  • 急性期治療:発症からの時間が短いほど試みる価値がある処置として、眼球マッサージ、前房穿刺、炭酸ガス吸入・眼圧下降などが歴史的に行われてきたが、視力回復のエビデンスは限定的である。発症4.5時間以内などの超急性期では、脳卒中に準じた血栓溶解療法を検討する動きがあり、脳卒中センターとの連携が重要になる。
  • 全身の緊急評価が必須:CRAOは脳梗塞と同等の急性虚血イベントとして扱い、頸動脈エコー・心電図/ホルター・心エコー・脳画像などの塞栓源検索を急いで行う。神経内科・循環器内科と連携する。
  • GCAの除外:高齢者ではESR/CRPを即確認。

実務のまとめ

  1. 突然・無痛・片眼の高度視力低下+RAPD+cherry red spot → CRAOを疑う
  2. 超急性期は脳卒中に準じた対応を検討(連携先を持っておく)
  3. 眼の治療以上に、塞栓源・GCAの全身検索が命を守る
  4. 一過性黒内障も同じ警告——放置せず精査へ

関連リンク


主な参考:American Heart Association/American Stroke Association の CRAO に関する科学的声明/EyeWiki "Central Retinal Artery Occlusion"。血栓溶解療法の適応は施設・地域の脳卒中診療体制により異なるため最新の指針を確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)