オリジナル解説 / 網膜硝子体

裂孔原性網膜剥離 —症状・裂孔検索・手術選択

概要

裂孔原性網膜剥離(rhegmatogenous retinal detachment; RRD)は、網膜裂孔を通じて液化硝子体が網膜下に流入し、神経網膜がRPEから剥離する疾患である。放置すると失明に至るため緊急〜準緊急の手術適応となる。後部硝子体剥離(PVD)に伴う裂孔形成が最多の原因で、近視・無水晶体/偽水晶体眼・外傷・僚眼剥離既往がリスク因子。

病態と裂孔

硝子体牽引 弁状裂孔 網膜下液(剥離)
図2. 裂孔原性網膜剥離。後部硝子体剥離に伴う牽引で弁状裂孔が生じ、液化硝子体が網膜下に流入して剥離が進行する。
  • 代表的な裂孔:弁状(馬蹄形)裂孔、萎縮円孔、鋸状縁断裂(外傷)。格子状変性は好発部位。
  • 危険な前駆症状:飛蚊症の急増、光視症(硝子体牽引)。PVD発症時は周辺部の裂孔検索が必須。

症状と診断

  • 症状:飛蚊症・光視症に続き、剥離が進むとカーテン様の視野欠損。黄斑に及ぶと中心視力が低下する。
  • 診察:散瞳下の倒像鏡・強膜圧迫による周辺部検索が診断の核心。全周を丹念に観察し裂孔をすべて同定する。
  • 黄斑の状態(macula-on / macula-off)が視力予後と手術緊急度を左右する。macula-onは早期手術で良好な視力が期待でき、より緊急性が高い。
  • 中間透光体混濁で眼底が見えない場合はBモード超音波が有用。

治療

  • 網膜復位術の三本柱
  • 強膜内陥術(バックル):若年・有水晶体・下方裂孔・PVDのない症例に良い適応。眼球外からスポンジで壁を内方に寄せ裂孔を閉鎖する。
  • 硝子体手術(PPV):牽引解除・裂孔周囲の網膜光凝固・ガス(SF6/C3F8)またはシリコンオイルタンポナーデ。偽水晶体眼・多発裂孔・増殖性硝子体網膜症(PVR)に適する。
  • 空気注入網膜復位術(pneumatic retinopexy):上方単一裂孔などの選択例に、ガス注入+体位保持+凝固で外来的に行う。
  • 裂孔閉鎖:レーザー光凝固または冷凍凝固で瘢痕性癒着を作る。
  • 術後体位保持:ガスタンポナーデ例では裂孔を上にする体位が重要。ガス在中は航空機搭乗・高地移動が禁忌(膨張で眼圧上昇)。

予後と合併症

macula-onで早期手術なら視力予後は良好。macula-off例は復位しても中心視力が完全には戻らないことがある。最大の再剥離原因は増殖性硝子体網膜症(PVR)。裂孔前段階(網膜裂孔のみ・剥離なし)では予防的レーザー光凝固が有効。僚眼にも格子状変性など危険病変がないか評価する。

まとめ

裂孔原性網膜剥離は光視症・飛蚊症・視野欠損を契機に疑い、散瞳下の周辺部裂孔検索で診断する。macula-onは緊急手術の適応。バックル・硝子体手術・空気注入を症例に応じて選択し、確実な裂孔閉鎖と適切な体位保持が復位成功の鍵となる。


主な参考:日本網膜硝子体学会関連ガイドライン/米国AAO PPP "Posterior Vitreous Detachment, Retinal Breaks, and Lattice Degeneration"/SPR study(バックル vs 硝子体手術)/成書『網膜硝子体手術』。術式適応の詳細は専門医の判断・原著で確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+Web調査))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-22 作成)