オリジナル解説 / 網膜硝子体

加齢黄斑変性(AMD)—萎縮型・滲出型の鑑別と抗VEGF治療

概要

加齢黄斑変性(age-related macular degeneration; AMD)は、加齢に伴い黄斑部が障害され中心視力が低下する疾患で、先進国における中途失明の主要原因の一つである。萎縮型(dry / 地図状萎縮)滲出型(wet / 新生血管型)に大別され、日本では欧米に比べ滲出型の割合が高く、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)が多いという特徴がある。滲出型は抗VEGF薬の登場で予後が大きく改善した。

病態と分類

ドルーゼン(萎縮型) 脈絡膜新生血管(滲出型) RPE ブルッフ膜/脈絡膜
図1. 加齢黄斑変性の模式図。萎縮型ではドルーゼン蓄積とRPE・脈絡毛細血管板の萎縮が進み、滌出型では脈絡膜新生血管がブルッフ膜を越えて滲出・出血を起こす。
  • 前駆病変:軟性ドルーゼン、網膜色素上皮(RPE)の色素異常。中間期AMDでは大型ドルーゼンが増える。
  • 萎縮型(地図状萎縮; GA):RPEと脈絡毛細血管板が緩徐に萎縮し、中心視力が数年かけて低下する。従来は治療法がなかったが、近年補体C3/C5阻害薬(ペグセタコプラン、アバシンカプタド)の硝子体内注射が萎縮進行を遅らせる目的で欧米承認された。
  • 滲出型(新生血管型; nAMD):脈絡膜新生血管(CNV)が滲出・出血し、急速な変視・中心暗点・視力低下をきたす。
  • ポリープ状脈絡膜血管症(PCV):日本人に多い滲出型AMDの一亜型。インドシアニングリーン蛍光造影(ICGA)でポリープ状病巣と分枝血管網を認める。

症状と診断

  • 症状:中心暗点、変視症(アムスラーチャートで歪み)、コントラスト低下。滲出型は急性発症が多い。
  • OCT:診断の要。網膜内・網膜下液、網膜色素上皮剥離(PED)、萎縮型では網膜外層・RPEの菲薄化を評価する。OCTアンギオグラフィ(OCTA)は造影なしにCNVを可視化できる。
  • フルオレセイン蛍光造影(FA)・ICGA:CNVのタイプ判定、PCV診断に有用。
  • アムスラーチャートは自己モニタリングに用いる。

治療

  • 滲出型の第一選択は抗VEGF薬の硝子体内注射:ラニビズマブ、アフリベルセプト、ブロルシズマブ、およびアフリベルセプト8mg・ファリシマブ(抗VEGF/抗Ang-2二重特異性)など投与間隔延長を狙う新規薬が普及。導入期に月1回×3回ののち、Treat and Extend(TAE)で投与間隔を個別調整する。
  • PCV:抗VEGF単独、または光線力学療法(PDT)併用を病巣に応じて選択する。
  • 萎縮型:確立した根治治療はなく、進行例に補体阻害薬(適応・地域による)。禁煙・生活指導が基本。
  • サプリメント(AREDS2処方):中間期〜片眼進行例で進行リスクを低減。ビタミンC・E、亜鉛、銅、ルテイン・ゼアキサンチン。β-カロテンは喫煙者で肺癌リスクのため非推奨

予防・生活指導

禁煙が最重要。緑黄色野菜・魚(オメガ3)中心の食事、遮光、血圧・脂質管理を勧める。片眼発症例は僚眼の発症リスクが高く、アムスラーチャートによる自己チェックと定期受診を指導する。

まとめ

AMDは萎縮型と滲出型で経過・治療が大きく異なる。滲出型は抗VEGF薬で視力予後が改善したが、投与継続と定期OCT評価が要となる。日本ではPCVが多くICGAでの評価が重要で、萎縮型にも補体阻害薬という新たな選択肢が登場している。


主な参考:日本眼科学会「加齢黄斑変性の治療指針」/AREDS・AREDS2試験/MARINA・ANCHOR・VIEW・TENAYA/LUCERNE(ファリシマブ)試験/EVEREST II(PCV)/米国AAO PPP "Age-Related Macular Degeneration"。薬剤の適応・用法や最新承認状況は添付文書・各学会指針で確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+Web調査))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-22 作成)