オリジナル解説 / 緑内障

開放隅角緑内障とSLT —レーザー線維柱帯形成術の位置づけ

開放隅角緑内障(POAG)の治療の骨組み

POAG は隅角が開いたまま線維柱帯の流出抵抗が上がり、眼圧下降のみがエビデンスのある治療である。治療は点眼 → レーザー(SLT)→ 手術と段階的に強めるが、近年はSLTを早い段階(初期治療)で用いる考え方も広がっている。

SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)とは

線維柱帯 色素細胞に選択的にレーザー → 流出が改善
図1. SLT。線維柱帯の色素細胞に選択的にエネルギーを与え、周囲組織を熱損傷せずに房水流出を促す。
  • 仕組み:線維柱帯の色素を含む細胞に選択的に低エネルギーのレーザーを当て、生物学的反応で房水流出を改善する。周囲の非色素組織を熱で傷めないため、繰り返し施行できるのが従来のALTとの違い。
  • 効果:眼圧を概ね20〜30%程度下げる(点眼1剤に近い効果)。効果は年余で減衰しうるが、再照射が可能

エビデンスと位置づけ

  • 初期治療としてのSLTLiGHT試験では、SLTを第一選択とした群が点眼開始群と比べて眼圧コントロール・進行の点で良好で、多くが点眼なしで目標眼圧を維持できた。アドヒアランスや点眼の副作用の問題を回避できる点が利点。
  • 点眼が続けられない・副作用が強い例、点眼本数を減らしたい例のよい適応。
  • 落屑緑内障・色素性緑内障では反応が良いことがある。
  • 効果が乏しい/不十分な例は点眼追加やMIGS・濾過手術へ進む。

適応と注意点

  • 開放隅角であることが前提(隅角検査で確認)。閉塞隅角・活動性のぶどう膜炎続発・血管新生緑内障には向かない。
  • 合併症:一過性の眼圧上昇(術直後)、軽度の前房内炎症、まれに遷延する炎症。術後の眼圧確認を行う。
  • 効果判定には数週間かかる。無効を早合点しない。

患者への説明

「点眼と同じくらい眼圧を下げるレーザーで、点眼を減らせる/やめられる可能性がある」「効果は徐々に薄れることがあるが繰り返しかけられる」「全員に十分効くわけではなく、追加治療が必要になることもある」——この3点を伝えると、初期治療としての選択も納得されやすい。

関連リンク


主な参考:LiGHT trial(Lancet 2019, 初期治療としてのSLT)/日本緑内障学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」/EyeWiki "Selective Laser Trabeculoplasty"。適応と再照射の方針は施設により異なる。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)