オリジナル解説 / 緑内障

続発緑内障の鑑別 —血管新生・落屑・ステロイド・ぶどう膜炎

総論

続発緑内障は「原因のある緑内障」であり、原因治療なしに眼圧だけを追っても管理できない点が原発緑内障との最大の違いである。眼圧上昇の機序を開放隅角性か閉塞隅角性か房水流出抵抗がどこにあるかで整理すると方針が立てやすい。

血管新生緑内障(NVG)

網膜虚血(増殖糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症、眼虚血症候群)により VEGF が増加し、虹彩・隅角に新生血管が生じる。初期は開放隅角のまま眼圧が上がり、進行すると線維血管膜が隅角を牽引して周辺虹彩前癒着(PAS)を形成し、閉塞隅角へ移行する。

  • 早期発見の要:糖尿病網膜症・CRVO の患者では散瞳前に虹彩と隅角を観察する(虹彩ルベオーシスは瞳孔縁から始まることが多い)。散瞳してからでは瞳孔縁の観察機会を失う。
  • 治療抗VEGF薬硝子体内注射で新生血管を退縮させつつ、汎網膜光凝固で虚血そのものを治療する。眼圧下降は薬物で開始し、隅角閉塞が進んだ例ではチューブシャント手術や毛様体光凝固が選ばれることが多い。線維柱帯切除術は成績が落ちる。
  • 予後:視力予後は不良例が多く、痛みのコントロールも治療目標になる。

落屑緑内障(XFG)

落屑症候群では、瞳孔縁と水晶体前嚢に白色のフケ様物質が沈着し、線維柱帯にも蓄積して流出抵抗が上がる。特徴は、

  • 隅角の濃い色素沈着(線条=Sampaolesi line)、虹彩の瞳孔縁の萎縮・色素散布
  • 眼圧が高値かつ日内変動が大きく、進行が速い
  • チン小帯脆弱を伴うため、白内障手術は難症例になりやすい(散瞳不良も多い)

片眼性に見えても対側眼に潜在することが多く、両眼の経過観察が必要である。

ステロイド緑内障

ステロイド(点眼・内服・吸入・軟膏・関節内注射・徐放性眼内製剤)により線維柱帯の流出抵抗が上がる。点眼開始から数週間で上昇することが多く、若年者・1型糖尿病・強度近視・緑内障家族歴がリスク因子。

  • 眼圧上昇を「もともとの緑内障の悪化」と誤認しないよう、薬歴の聴取が診断の中心である。皮膚科・整形外科・耳鼻科で処方された薬も確認する。
  • 対応は原因ステロイドの中止・減量・力価の低い薬剤への変更が第一。中止できない病態(ぶどう膜炎など)では眼圧下降薬を併用し、遷延例では手術を検討する。

ぶどう膜炎続発緑内障

機序が複数ある点が難しい。炎症細胞・線維素による線維柱帯の目詰まり線維柱帯炎虹彩後癒着による瞳孔ブロックPAS による隅角閉塞、そしてステロイド反応が重なる。

  • 瞳孔ブロックを疑う所見(虹彩膨隆、全周の後癒着)ではレーザー虹彩切開術を検討する。
  • 治療は炎症の十分な鎮静が前提。ステロイドを減らせない場合は免疫抑制薬・生物学的製剤の併用を眼炎症の専門医と相談する。
  • Posner–Schlossman 症候群(緑内障毛様体炎発作)では、軽度の前房内炎症に不釣り合いな高眼圧が反復する。

見落としやすい続発性の原因

  • 外傷(隅角解離、前房出血、血球崩壊)水晶体性(膨隆・融解・水晶体粒子)色素性緑内障眼内腫瘍シリコーンオイル上強膜静脈圧上昇(甲状腺眼症、頸動脈海綿静脈洞瘻、Sturge–Weber症候群)
  • 「片眼性で高眼圧」「若年」「治療反応が悪い」ときは、原発と決めつけず隅角検査と全身の見直しに戻る。

関連リンク


主な参考:日本緑内障学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」の続発緑内障の分類/EyeWiki "Neovascular Glaucoma"・"Pseudoexfoliation Glaucoma"・"Steroid-Induced Glaucoma"。治療選択は原因疾患の活動性により変わるため、原著・成書を参照されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)