オリジナル解説 / 緑内障

MIGS(低侵襲緑内障手術)—術式の分類と適応の考え方

MIGS とは

MIGS(minimally invasive glaucoma surgery)は、結膜を大きく傷つけず、濾過胞に依存しないか、あるいは低侵襲な経路で眼圧を下げる一群の術式の総称である。トラベクレクトミーより安全性が高い代わりに眼圧下降幅は小さいという位置づけで、多くは白内障手術との同時併用で行われる。「点眼が2〜3剤になった軽症〜中等症」「点眼アドヒアランスが悪い」「白内障手術の機会がある」といった症例が典型的な対象となる。

作用経路による分類

線維柱帯・ シュレム管 トラベクトーム iStent / Hydrus スーチャートラベクロトミー ぶどう膜強膜路 毛様体・脈絡膜上腔への バイパス 結膜下・その他 マイクロシャント (濾過胞を作る) 毛様体光凝固
図1. MIGS の主な作用経路。どこに房水を逃がすかで、期待できる眼圧下降幅と合併症の質が変わる。
  • 線維柱帯・シュレム管を標的とする術式:房水の主流出路の抵抗を取り除く。トラベクトーム、眼内ドレナージステント(iStent inject、Hydrus マイクロステント)、スーチャー/マイクロフックによる線維柱帯切開術など。眼圧は概ね上強膜静脈圧(10mmHg 台前半)より下げにくいという理論的下限があり、目標眼圧が一桁台の症例には不向き。術後の前房出血・一過性眼圧上昇が典型的な合併症。
  • ぶどう膜強膜流出路を利用する術式:脈絡膜上腔への房水誘導。
  • 結膜下へ房水を逃がすマイクロシャント:濾過胞を作るため下降幅は大きいが、その分は濾過手術に近い管理(濾過胞感染・低眼圧)が必要になる。

適応と限界

  • 良い適応:軽症〜中等症の開放隅角緑内障で、白内障手術の適応がある例。点眼本数を減らしたい例。
  • 慎重に考える進行例・目標眼圧が低い例(下降幅が不足する)、血管新生緑内障などの続発緑内障、隅角が観察できない例。
  • 前提となる技術:多くの術式は隅角を見ながら操作するため、術中の隅角観察(ゴニオレンズの扱い、頭位・顕微鏡の傾け方)に習熟している必要がある。

なお、閉塞隅角では白内障手術(水晶体摘出)そのものが隅角を広げ、単独で有意な眼圧下降をもたらす。MIGS を足す前に、この効果を織り込んで判断する。

術後管理

術後は一過性の眼圧上昇(ステロイド反応を含む)と前房出血を想定し、早期の受診間隔を短めにする。眼圧が目標に届かない場合は点眼の再開・追加をためらわず、必要なら濾過手術へ段階的に進む。MIGS は「点眼をゼロにする手術」ではなく、治療強度の階段を一段上げる選択肢と位置づけるとぶれにくい。

関連リンク


主な参考:日本緑内障学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」/各デバイスの添付文書・適正使用指針/EyeWiki "Minimally Invasive Glaucoma Surgery"。デバイスの承認状況と保険適用は変わりうるため最新情報を確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)