オリジナル解説 / 緑内障
緑内障点眼薬の使い分け —作用機序と副作用から考える
治療の原則
緑内障でエビデンスのある唯一の治療は眼圧下降である。病期と進行速度、予測余命、患者背景から目標眼圧を設定し、点眼はできるだけ少ない本数で目標を達成することを目指す。単剤で効果不十分なら、作用機序の異なる薬剤を追加する(同系統の重複は避ける)。
主な薬剤クラス
- プロスタグランジン関連薬(PG):ぶどう膜強膜流出を促進。眼圧下降効果が最も高く1日1回で全身副作用が少ないため、多くの症例で第一選択。局所副作用として結膜充血、虹彩・眼瞼色素沈着、睫毛伸長、上眼瞼溝深化(DUES)、眼瞼下垂様変化があり、片眼治療では整容的差が問題になりうる。
- β遮断薬:房水産生を抑制。気管支喘息・COPD、徐脈・房室ブロック・コントロール不良の心不全では禁忌ないし慎重投与。全身移行があるため、高齢者・循環器疾患のある患者では既往確認と点眼指導(涙点圧迫)が重要。
- 炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)点眼:房水産生抑制。角膜内皮機能が低下した眼では慎重に。スルホンアミド系のアレルギーに注意。
- α2作動薬(ブリモニジン):産生抑制+ぶどう膜強膜流出促進。アレルギー性結膜炎様の遅発性反応が比較的多い。小児では中枢抑制のリスクがあり禁忌。
- ROCK阻害薬(リパスジル):線維柱帯流出路に作用。点眼直後の強い結膜充血が特徴で、就寝前の使用や説明で受容性が変わる。
- EP2受容体作動薬(オミデネパグ):主・副流出路に作用。無水晶体眼・眼内レンズ挿入眼では黄斑浮腫のリスクがあり、またタフルプロストとの併用は避けるとされる。
- 配合点眼薬:本数を減らしアドヒアランスと防腐剤曝露を改善できる。ただし片方の成分に禁忌があれば使えない。
選択と切り替えの実際
- PG単剤で開始し、1〜3か月後に眼圧下降幅を評価する。効果判定は「治療前眼圧との比較」で行う。
- 効果不十分なら、切り替え(同系統の別薬剤で反応が異なることがある)か併用を選ぶ。併用は作用機序の異なるクラスを組み合わせる。
- 3剤以上を要する段階では、SLT・MIGS・濾過手術など手術的治療の検討時期でもある。
- 点眼できているかを必ず確認する。点眼手技、本数、費用、副作用への不満はいずれもアドヒアランス低下の原因になる。
見落としやすい点
- 薬剤性角膜上皮障害:長期・多剤・防腐剤(塩化ベンザルコニウム)による点状表層角膜症。眼表面の悪化は視機能と満足度を直接下げるため、防腐剤フリー製剤への変更を検討する。
- 全身副作用の逆方向:全身のβ遮断薬内服中の患者では眼圧が見かけ上低く測定されうる。
- 前視野緑内障(PPG):視野異常が出る前の段階。治療開始の是非は進行リスク(眼圧、乳頭出血、家族歴、年齢、角膜厚)で個別に判断する。
関連リンク
- 心臓にステントを入れた緑内障患者さんでは、チモロール点眼をどう考えるか(自由が丘 清澤眼科)
- 薬剤性角膜上皮障害について(眼科医ぐちょぽいのオンライン勉強会)
- 点眼薬の良くない使い方(中村眼科・松本)
- Preperimetric glaucoma(PPG・前視野緑内障)(サトウ眼科 院長ブログ)
主な参考:日本緑内障学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」/各薬剤の添付文書/EyeWiki "Medical Therapy of Glaucoma"。禁忌・用法は必ず最新の添付文書で確認されたい。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)