オリジナル解説 / 緑内障

OCTによる緑内障の構造評価 —RNFL・GCCと「赤緑判定」の落とし穴

早期発見と進行評価の両輪

OCT(光干渉断層計)は、緑内障性の構造障害を定量する。視野異常が出る前の前視野緑内障(PPG)を捉えられることがあり、早期発見に強い。一方で、カラーマップの「赤=異常」を鵜呑みにすると誤診につながるため、読み方の作法が要る。

主に見る3つの指標

乳頭周囲RNFL(上下が厚い) 黄斑GCC(中心窩を囲む)
図1. 乳頭周囲RNFLと黄斑部GCC。緑内障では上下(とくに下方)の菲薄化が出やすい。
  • 乳頭周囲RNFL厚:網膜神経線維層の厚み。緑内障では上下方(とくに下耳側)が菲薄化しやすく、TSNIT曲線で評価する。
  • 黄斑部GCC / GCIPL:黄斑の神経節細胞層。中心視に関わる障害を早期に捉える。
  • 乳頭形態(rim・cup、BMO-MRW):リムの菲薄化を定量。

「赤緑判定」の落とし穴

カラーコード(緑=正常範囲、黄・赤=正常データベースから外れる)は、正常者データベースとの比較にすぎない。

  • 赤=異常とは限らない(false positive/red disease)強度近視、傾斜乳頭、乳頭周囲萎縮、小さい/大きい乳頭、乱視・白内障によるノイズで偽陽性が出る。強度近視眼はRNFL分布がそもそも非典型。
  • 緑=正常とは限らない(false negative/green disease)大きな乳頭・厚い元々のRNFLでは、菲薄化が進んでもまだ正常範囲に見えることがある。
  • セグメンテーションエラー:測定線のずれ、硝子体混濁、瞬目で誤った厚みを出す。必ず元のBスキャン画像を確認する。

構造と機能を突き合わせる

  • 障害部位の対応:下方RNFLの菲薄 → 上方視野の異常、という構造-機能の一致を確認する。一致しなければ他疾患やアーチファクトを疑う。
  • フロア効果:進行してRNFLが下限(フロア)に達すると、以後はOCTでの進行検出が鈍る。中等度以降は視野の進行評価が主役になる。
  • 緑内障以外のRNFL菲薄:視神経疾患・圧迫病変でも薄くなる。非典型なら神経眼科的評価へ。

進行評価

OCTもトレンド解析(RNFL/GCCの経時変化)で追う。撮影条件(同じ機器・同じ測定)をそろえ、単回の変化ではなく傾きで判断する。

実務のまとめ

  1. カラーではなく、まず画像とTSNIT曲線・数値を見る
  2. 近視・乳頭形態のクセを念頭に偽陽性/偽陰性を疑う
  3. 視野と突き合わせ、一致しなければ立ち止まる
  4. 進行は構造と機能の両方を経時で

関連リンク


主な参考:日本緑内障学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」/red disease・green disease に関する総説/EyeWiki "Optical Coherence Tomography in Glaucoma"。機器ごとの正常データベースと解析法の違いに留意されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)