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麦粒腫と霰粒腫 —「ものもらい」を正しく分けて治す

二つは別の病気

日常診療で最も多い眼瞼疾患だが、感染症(麦粒腫)と非感染性の肉芽腫(霰粒腫)という別の病態であり、治療も説明も変わる。

  • 麦粒腫(hordeolum)急性の細菌感染。主に黄色ブドウ球菌。外麦粒腫は Zeis 腺・Moll 腺(睫毛根部)、内麦粒腫はマイボーム腺の感染。発赤・腫脹・自発痛・圧痛が強い。
  • 霰粒腫(chalazion)マイボーム腺の閉塞による脂質の貯留と、周囲の慢性肉芽腫性炎症痛みが乏しく、硬いしこりとして触れる。急性炎症を起こした霰粒腫(化膿性霰粒腫)は麦粒腫と紛らわしい。

診察のポイント

  • 眼瞼を反転して瞼結膜側を見る:内麦粒腫・霰粒腫の位置と排膿の有無、肉芽の突出を確認する。
  • マイボーム腺機能不全(MGD)・眼瞼縁炎の評価:腺開口部の閉塞、分泌物の性状。背景の MGD を治療しないと再発を繰り返す
  • 酒さ・アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎の合併を確認する。

重要な鑑別繰り返す・治りにくい・眼瞼縁の変形や睫毛脱落を伴う霰粒腫様病変では、脂腺癌(マイボーム腺癌)を疑う。高齢者の片側性で再発性の病変は特に注意し、切除標本の病理検査を行う。「何度も同じ場所にできる霰粒腫」を漫然と処置し続けないことが要点である。

治療

麦粒腫

  • 温罨法抗菌薬点眼・眼軟膏。膿点が明らかで自壊しない場合は切開排膿
  • 蜂窩織炎への波及(眼瞼全体の発赤・腫脹、発熱)があれば経口抗菌薬、眼窩に及ぶ所見があれば入院治療を検討する。
  • 自己判断で潰さないよう伝える。

霰粒腫

  • 温罨法とマッサージ:腺の内容物を出やすくする。自然消退することも多いため、無痛性で小さいものはまず保存的に扱う。
  • 抗炎症治療:ステロイド点眼・眼軟膏。病巣内ステロイド注射は有効な選択肢(皮膚の脱色素・萎縮に注意し、色素の濃い皮膚では慎重に)。
  • 切開掻爬:大きい、整容的・機能的(乱視、視軸への影響)に問題がある、保存的治療で改善しない場合。小児では全身麻酔の要否を含めて時期を検討する(小児の霰粒腫は自然軽快しやすいため、まず保存的治療を十分に行う)。
  • 背景治療眼瞼清拭(lid hygiene)、温罨法の習慣化、MGD の治療、酒さがあれば皮膚科と連携。再発予防はここに尽きる。

患者説明のこつ

「ものもらい」という一語で語られがちだが、「今は感染で痛い状態」なのか「炎症が治まったあとのしこり」なのかを分けて伝えると、抗菌薬の要否や「様子を見る」期間が納得されやすい。しこりは数週〜数か月かけて縮むこと、再発予防には日々の温罨法と眼瞼清拭が効くことを、初回に具体的に伝えたい。

関連リンク


主な参考:EyeWiki "Chalazion"・"Hordeolum"/マイボーム腺機能不全(MGD)に関する日本のワーキンググループ定義/脂腺癌の鑑別に関する総説。ステロイド注射の適応・手技は施設の方針に従うこと。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)