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鼻涙管閉塞と流涙症 —涙道疾患の診断とDCR

概要

流涙症(epiphora)は涙が眼瞼縁を越えてあふれる状態で、涙の排出路(涙道)の狭窄・閉塞が主要な原因である。成人では後天性鼻涙管閉塞(PANDO)が、乳児では先天鼻涙管閉塞が代表的で、閉塞に感染が加わると涙嚢炎を発症する。閉塞部位の同定が治療(保存・涙道内視鏡・涙嚢鼻腔吻合術)の選択を決める。

涙道の解剖と閉塞部位

涙点 涙嚢 鼻涙管 閉塞部位 下鼻道へ
図1. 涙は涙点→涙小管→涙嚢→鼻涙管を経て下鼻道へ排出される。鼻涙管が閉塞すると涙嚢に涙が貯留し流涙・涙嚢炎をきたす。
  • 排出経路:涙点 → 涙小管 → 総涙小管 → 涙嚢 → 鼻涙管 → 下鼻道。
  • 閉塞部位による分類:涙点閉塞、涙小管閉塞、鼻涙管閉塞。部位で治療が異なる。
  • 流涙の2機序:排出障害(閉塞・狭窄・涙点位置異常)と分泌過多(ドライアイの反射性流涙、角膜刺激、逆さまつげなど)。ドライアイが流涙の原因になりうる点に注意

症状と診断

  • 症状:持続する流涙、目やに、内眼角の腫脹(涙嚢炎)。急性涙嚢炎は発赤・疼痛・膿排出を伴う。
  • 診察・検査
  • 涙点・眼瞼位置(内反・外反、涙点狭窄)と眼表面(ドライアイ・角膜)の評価。
  • 涙嚢部の圧迫で涙点から粘液・膿の逆流があれば鼻涙管閉塞を示唆。
  • 涙道通水検査(洗浄):閉塞部位(涙小管 vs 鼻涙管)と開放性の判定。
  • 必要に応じ涙道内視鏡・涙嚢造影・色素残留試験(dye disappearance)
  • 鑑別:分泌過多性(ドライアイ・眼表面疾患・逆さまつげ)を除外してから排出路を評価する。

治療

  • 先天鼻涙管閉塞(乳児):多くは生後12か月までに自然開通。涙嚢マッサージ(Crigler法)と感染時の抗菌点眼で経過観察。改善しなければプロービング(涙道ブジー)、必要に応じチューブ留置。
  • 後天性鼻涙管閉塞(成人)
  • 涙道内視鏡下の処置・シリコンチューブ留置:不完全閉塞・狭窄に。
  • 涙嚢鼻腔吻合術(DCR):完全閉塞の標準治療。涙嚢と鼻腔を直接吻合してバイパスを作る。鼻内内視鏡下DCR(皮膚切開なし)外切開DCRがあり、成功率は高い。
  • 急性涙嚢炎:全身・局所抗菌薬で消炎(膿瘍は切開排膿)。急性期に涙道洗浄・プロービングは避ける(炎症拡大のリスク)。消炎後に根治的DCRを検討。
  • 涙点・涙小管の異常:涙点形成術、涙小管閉塞には涙小管形成やチューブ、高度例はconjunctivo-DCR。
  • 分泌過多性流涙:原因(ドライアイ・逆さまつげ・眼表面疾患)を治療する。

まとめ

流涙症はまず排出障害か分泌過多かを見分け、排出障害では涙道通水などで閉塞部位を同定する。乳児の先天鼻涙管閉塞はマッサージで自然開通を待ち、遷延例にプロービング。成人の完全鼻涙管閉塞にはDCRが標準治療で、鼻内内視鏡下DCRが普及している。急性涙嚢炎はまず消炎してから根治術を計画する。


主な参考:米国AAO PPP関連/日本涙道・涙液学会関連/成書の涙道疾患章。診断手技・術式適応の詳細は専門医の判断・原著で確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+Web調査))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-22 作成)