オリジナル解説 / 神経眼科
圧迫性視神経症と視交叉症候群 —「治せる視力低下」を見逃さない
緩徐だからこそ危ない
圧迫性視神経症・視交叉症候群は、腫瘍や病変が視神経・視交叉をゆっくり圧迫して視機能を落とす。進行が緩やかで本人が気づきにくく、片眼ずつ進むと健眼で代償してしまう。しかし多くは治療可能(圧迫の解除で改善しうる)であり、「見つければ助けられる視力低下」として重要である。
疑うべき所見
- 緩徐進行の片眼視力低下、色覚(とくに赤)の低下、RAPD
- 視神経萎縮(圧迫が続くと蒼白化)。乳頭腫脹を伴わないのに視力・視野が落ちる。
- 視交叉病変では両耳側半盲(両眼の外側が欠ける)。
- 視神経萎縮+対側の乳頭浮腫(Foster Kennedy 症候群):前頭蓋底腫瘍などで古典的に記載される。
- 随伴症状:頭痛、内分泌異常(下垂体腫瘍:無月経・乳汁漏出・先端巨大症)、眼球突出・複視(眼窩内病変)。
主な原因
- 下垂体腺腫(視交叉症候群の代表)、頭蓋咽頭腫、鞍結節部髄膜腫
- 視神経鞘髄膜腫(ONSM):緩徐な片眼視力低下・視神経萎縮、視神経鞘に沿う造影(tram-track sign)
- 視神経膠腫(小児、神経線維腫症1型に合併)
- 眼窩内腫瘍・甲状腺眼症による眼窩尖部での圧迫(compressive optic neuropathy)
- 動脈瘤、線維性骨異形成などの骨病変
検査
- 視力・色覚・RAPD・視野(両耳側半盲や中心暗点のパターンを把握)。
- OCT:慢性圧迫では乳頭周囲RNFL・黄斑GCCの菲薄化。GCCの菲薄は回復の見込みを予測する材料にもなる(すでに強く菲薄なら術後改善が限られる)。
- 造影MRI(下垂体・眼窩・頭蓋底に的を絞る)が診断の中心。
- 内分泌検査(下垂体腫瘍が疑われる場合)。
治療
原因病変に応じて、外科的減圧・摘出、放射線治療、薬物治療(プロラクチノーマではカベルゴリンなどで縮小しうる)を選ぶ。甲状腺眼症の眼窩尖部圧迫による視神経症は緊急で、ステロイド・眼窩減圧を要する。早期の圧迫解除ほど視機能の回復が期待できる一方、視神経萎縮が完成すると回復は限られる。
実務のまとめ
- 原因不明の片眼(あるいは両眼)視力低下+RAPD+色覚低下+視神経蒼白を見たら圧迫を疑う
- 両耳側半盲は視交叉=下垂体近傍病変のサイン
- 造影MRIへつなぎ、内分泌・脳神経外科と連携
- 緑内障や「加齢」で片付けない——治せる原因を拾い上げる姿勢が視力を守る
関連リンク
- 視神経鞘髄膜腫(ONSM)(オンライン眼科 Dr.K)
- 半盲 hemianopsia(目医者情報)
- 同名半盲(どうめいはんもう)(江坂まつおか眼科)
- 眼窩(がんか)(江坂まつおか眼科)
- OCTAで見えてきた甲状腺眼症による視神経障害(DON)の早期発見(自由が丘 清澤眼科)
主な参考:EyeWiki "Compressive Optic Neuropathy"・"Optic Nerve Sheath Meningioma"・"Chiasmal Syndromes"/成書『神経眼科学を学ぶ人のために』。画像・内分泌評価と治療方針は関連科と連携して決めること。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)