オリジナル解説 / 白内障

フェムトセカンドレーザー白内障手術(FLACS)—何ができて、何が課題か

FLACS とは

FLACS(femtosecond laser-assisted cataract surgery)は、これまで用手で行っていた白内障手術の一部工程をフェムト秒レーザーで置き換える方法である。イメージング(多くは前眼部OCT)で眼内を把握し、コンピュータ制御で以下を作成・実行する。

  • 前嚢切開(capsulotomy):真円で再現性の高い前嚢切開
  • 水晶体核分割(fragmentation):核をあらかじめ分割し、超音波使用量を減らす
  • 角膜切開・弓状角膜切開(AK):創口と乱視矯正切開の作成

期待される利点

  • 前嚢切開の正確さ・再現性:径・中心が安定し、IOLの安定した固定・実効レンズ位置の予測に寄与しうる。
  • 超音波エネルギーの低減:核分割により角膜内皮への負担が減る可能性。内皮が乏しい眼・硬い核で理論的な利点。
  • 乱視矯正切開の精度:レーザーによる正確な弓状切開。

課題・限界

一方で、視力・屈折の最終成績が用手法に対して明確に優れるという強いエビデンスは確立していないというのが現状の理解である。加えて、

  • コストと時間:装置が高額で、レーザー工程の分だけ手術時間・患者移動が増える。
  • 縮瞳・結膜下出血:レーザー処理中の炎症惹起で術中縮瞳が起こりうる。
  • 適応の制約:小瞳孔、角膜混濁、極端な体位制限、ドッキング困難例では使いにくい。
  • 費用負担:日本では自由診療・自費部分として扱われることが多く、患者説明では「必ずしも見え方が良くなる保証ではない」点を明確にする。

使いどころの考え方

FLACS は「全例に必要」ではなく、特定の症例で用手法の弱点を補う道具と位置づけると整理しやすい。前嚢切開の再現性が欲しい多焦点・トーリック症例、内皮を守りたい硬い核などが検討対象になる。一方で、熟練した用手手術で十分に良好な結果が得られる多くの症例では、コストに見合うかを個別に判断する。装置・エビデンスは更新され続けているため、最新の比較試験を追って評価を見直す姿勢が要る。

患者への説明

  • 「レーザーで一部の工程を正確に行う方法だが、最終的な見え方が用手法より確実に良いと証明されているわけではない
  • 「費用が追加でかかる」
  • 「全員に適しているわけではなく、目の状態で選ぶ」

を、期待値を上げすぎない形で共有することが、術後の納得につながる。

関連リンク


主な参考:FLACS と用手手術の比較に関する系統的レビュー(Cochrane など)/各装置の添付文書/EyeWiki "Femtosecond Laser-Assisted Cataract Surgery"。有効性・安全性の評価は更新されるため最新の総説を確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)