白内障の分類と手術適応 —混濁部位でこう変わる見え方
定義
白内障は水晶体の混濁により視機能が低下する疾患で、原因の大半は加齢である。加齢以外では、糖尿病・アトピー性皮膚炎などの全身疾患に伴うもの、ぶどう膜炎や網膜色素変性などの併発白内障、ステロイド(点眼・全身)、外傷性、硝子体手術後、放射線、先天性がある。
混濁部位による分類と症状
- 核白内障:水晶体核が硬化・黄褐色化する。屈折率上昇による近視化(index myopia)が起こり、「老眼鏡が要らなくなった」という訴えで気づかれることがある。進行すると褐色核(brunescent)となり手術難度が上がる。
- 皮質白内障:楔状(スポーク状)混濁。羞明・グレアが出やすく、視力表の値の割に「まぶしくて見えない」と訴える。
- 後嚢下白内障(PSC):後嚢直下の混濁。縮瞳する明所・近見で著しく見えにくいのが特徴で、視力低下と自覚症状の乖離が大きい。ステロイド使用例・糖尿病・若年例で多い。
混濁の程度は Emery-Little 分類(核硬度 grade 1〜5)や LOCS III(核・皮質・後嚢下を標準写真と比較)で記載する。核硬度は超音波乳化吸引術の設定と難度の見積もりに直結する。
術前検査
- 細隙灯顕微鏡(散瞳下):混濁の部位・硬度、チン小帯(Zinn小帯)の状態、落屑物質、瞳孔散大の程度。
- 視力:薄暮視・グレア下の視力が生活の困り具合をよく反映する。
- 眼軸長・角膜曲率・前房深度:光学式眼軸長測定でのIOL度数計算。混濁が強く測定できない場合は超音波法を併用。
- 角膜内皮細胞密度:低い症例(Fuchs、レーザー虹彩切開後、既往手術眼)は術式・粘弾性物質の選択に影響。
- 眼底・OCT:黄斑疾患や視神経疾患の併存は術後視力の予測に必須。混濁で眼底が見えない場合は超音波Bモードで網膜剥離・腫瘤を除外する。
手術適応
適応は「視力値」だけで決めない。矯正視力の低下が本人の生活・仕事・運転に支障をきたしているかが基本軸で、グレアや不同視、急な屈折変化も適応となる。加えて、以下のような眼科的な理由による適応がある。
- 眼底の観察・治療(汎網膜光凝固、硝子体手術)に混濁が支障となる場合
- 原発閉塞隅角症・閉塞隅角緑内障:水晶体摘出そのものが隅角を広げ眼圧を下げる(EAGLE study では 50 歳以上の PAC/PACG で早期水晶体摘出が有効と報告)
- 水晶体融解性緑内障・水晶体膨隆による急性隅角閉塞などの緊急病態
一方、過熟白内障になるまで放置すると、チン小帯脆弱・水晶体膨隆・眼圧上昇を招き、手術は明らかに難しくなる。「見えにくくなったら考える」で構わないが、進行が速い例や難症例が予想される例では早めの提案が妥当である。
標準術式
超音波乳化吸引術+眼内レンズ嚢内固定(PEA+IOL) が標準。核が極端に硬い、チン小帯が広範に脆弱、角膜内皮が乏しいといった場合は、計画的嚢外摘出や水晶体嚢外摘出術、あるいは強膜内固定・縫着を含む術式変更を検討する。難症例の具体的な対処は本サイトのオリジナル解説一覧にある「難症例の白内障手術」で扱う。
関連リンク
- 白内障手術は決して「簡単」ではない!? 1時間かかる場合もある(眼科医 おおぐちチャンネル)
- 視力がだいぶ下がった割には(たまプラーザやまぐち眼科 院長ブログ)
- 白内障術前散瞳とミドリンPアレルギー(目医者情報)
- 白内障手術についてよくあるご質問『眼内レンズはどのように選んだら良いですか?』(みやざき眼科)
主な参考:日本白内障学会・日本眼科学会の白内障診療関連指針/Emery-Little 分類・LOCS III/EAGLE study(Lancet 2016, 閉塞隅角に対する早期水晶体摘出)/EyeWiki "Cataract"。適応判断・術式選択は個々の症例で異なるため、原著と成書で確認されたい。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)