オリジナル解説 / 小児・斜視弱視

先天鼻涙管閉塞 —乳児の「いつも涙目・目やに」への対応

乳児の流涙で最も多い

生後まもなくから続く片眼または両眼の流涙・目やにの最多の原因が、先天鼻涙管閉塞(congenital nasolacrimal duct obstruction; CNLDO)である。涙を鼻へ導く鼻涙管の下端(Hasner弁)が生後も膜で塞がったままのことが多く、涙が溜まって流涙・眼脂・睫毛の固着を来す。大半は自然開通するため、まず保存的に経過をみるのが原則である。

症状と鑑別

  • 持続する流涙、目やに(膿性のことも)、睫毛の固着。結膜の充血は乏しいことが多い。
  • 涙嚢部を圧すと涙点から粘液・膿が逆流する。
  • 急性涙嚢炎:涙嚢部の発赤・腫脹・圧痛を伴えば感染。抗菌治療を要する。

必ず除外すべき重要疾患先天緑内障である。流涙・羞明・角膜混濁・眼球拡大(牛眼)があれば、単なる鼻涙管閉塞ではなく先天緑内障を疑い、精査へ回す。結膜炎、睫毛内反、角膜疾患も鑑別に入れる。

保存的治療(第一選択)

鼻涙管 涙嚢部を上から下へ やさしく圧迫(Crigler)
図1. 涙嚢マッサージ。涙嚢部を指の腹で上から下へ圧し、閉塞部の開通を促す。
  • 涙嚢マッサージ(Crigler法):涙嚢部を上から下へやさしく圧迫し、下端の開通を促す。やり方を保護者に丁寧に指導する。
  • 点眼:眼脂が強い・感染徴候があるときに抗菌点眼を併用。
  • 経過観察多くは生後12か月頃までに自然開通する。多くの例で1歳前後までに軽快するため、それまでは保存的治療で待つのが基本方針。

開通しない場合

  • 鼻涙管プロービング(ブジー、涙道開放術):自然開通しないまま1歳前後を過ぎても遷延する例で検討する。細い探子で膜を開通させる。施行時期は施設の方針により幅がある。
  • 反復・難治例涙道チューブ留置、涙嚢鼻腔吻合術(DCR)などを検討する。
  • 急性涙嚢炎:まず抗菌薬で感染を鎮め、必要なら排膿。落ち着いてから涙道の処置を行う。

保護者への説明

大半は1歳頃までに自然に治る」「まずはマッサージと清潔(目やにをこまめに拭く)」「赤く腫れて痛がる(涙嚢炎)ときは受診を」「強い涙目+まぶしがる・黒目が大きいときは別の病気(緑内障)の可能性があり要注意」——この4点を伝えると、過度な不安なく経過観察に付き合ってもらいやすい。

関連リンク


主な参考:日本小児眼科学会・日本涙道涙液学会の関連情報/CNLDO のプロービング時期に関する報告(PEDIG など)/EyeWiki "Congenital Nasolacrimal Duct Obstruction"。プロービングの至適時期・術式は施設により異なる。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)