オリジナル解説 / 小児・斜視弱視

先天白内障と先天緑内障 —「時間との勝負」になる小児眼疾患

共通する原則

先天白内障と先天緑内障は、発見の遅れがそのまま不可逆的な視機能障害につながるという点で共通する。乳幼児は症状を訴えないため、保護者の気づき(白い瞳孔、まぶしがる、涙が多い、目が大きい)健診での赤色反射の確認が入口となる。

先天白内障

気づき方

  • 白色瞳孔(leukocoria):写真のフラッシュで白く写る、という主訴。
  • 視性刺激遮断による眼振・固視不良、斜視。
  • 赤色反射の左右差:乳幼児健診・新生児診察での確認が要となる。

白色瞳孔を見たら網膜芽細胞腫を必ず除外する。他に、未熟児網膜症、Coats 病、第一次硝子体過形成遺残(PFV)も鑑別に入る。

原因

孤発例のほか、遺伝性(常染色体顕性が多い)子宮内感染(風疹など TORCH)代謝疾患(ガラクトース血症、低血糖)染色体異常・全身症候群。両眼性では全身検索・遺伝カウンセリングを考慮する。

治療のタイミング

視軸を遮る混濁があれば、視覚感受性期の初期に手術することが決定的に重要である。両眼性は生後 8〜10 週頃まで、片眼性はさらに早期(生後 6 週頃まで)に手術することが望ましいとされる。片眼性のほうが視力予後は悪く、術後の健眼遮閉(アイパッチ)を含む弱視治療が結果を大きく左右する。

  • 眼内レンズを入れるか:乳児期の一次的な眼内レンズ挿入は、緑内障や再手術のリスクとの兼ね合いで慎重に判断される(IATS などの臨床研究が参考になる)。無水晶体眼としてコンタクトレンズ・眼鏡で矯正する方針も広く行われる。
  • 術後合併症:後発白内障(小児では高率)、無水晶体緑内障(長期にわたり発症しうる)、視軸混濁。生涯にわたる経過観察が必要である。

先天緑内障(原発先天緑内障)

三徴と所見

流涙・羞明・眼瞼痙攣が古典的三徴。加えて、

  • 牛眼(buphthalmos):眼球拡大。乳児の眼球は伸展しやすいため、高眼圧で角膜径・眼軸が増大する。角膜径 12 mm 以上(1歳未満)は要注意。
  • 角膜混濁と Haab 線(Descemet 膜の破裂による水平線状の所見)
  • 眼圧上昇、乳頭陥凹の拡大(小児では治療により陥凹が可逆的に戻ることがある)

「涙目が続く乳児」は鼻涙管閉塞が最多だが、羞明・角膜混濁・眼球拡大があれば先天緑内障を疑うという分岐を持っておきたい。診断確定には麻酔下検査(眼圧・角膜径・隅角・眼底)を要することが多い。

治療

手術が第一選択である。隅角切開術(goniotomy)や線維柱帯切開術(trabeculotomy)といった流出路手術が基本で、無効例では濾過手術・チューブシャント手術へ進む。薬物治療は手術までの橋渡し・補助として用いる(ブリモニジンは乳幼児で中枢抑制のリスクがあり禁忌)。

術後も眼圧・角膜径・屈折・視力を長期に追い、不同視弱視の管理(屈折矯正と健眼遮閉)を並行して行う。

まとめ

いずれも「早く見つけて、早く手術し、その後の弱視治療を続ける」ことが視力予後を決める。眼科の一次診療では、赤色反射・角膜径・流涙と羞明の組み合わせを意識して診ることが、見逃しを減らす最短経路になる。

関連リンク


主な参考:Infant Aphakia Treatment Study (IATS)/日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会の関連指針/Childhood Glaucoma Research Network (CGRN) の分類/EyeWiki "Congenital Cataract"・"Primary Congenital Glaucoma"。手術時期・術式は個々の症例と施設方針により異なる。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-23 作成)