オリジナル解説 / 小児・斜視弱視
未熟児網膜症(ROP)—スクリーニングと治療
概要
未熟児網膜症(retinopathy of prematurity; ROP)は、未熟な網膜血管の異常増殖により重症例で網膜剥離・失明に至る、小児失明の主要原因である。網膜血管は在胎中に鋸状縁へ向かって発達するため、早産・低出生体重児では血管未発達領域が残り、酸素環境の変化を契機に病的血管新生が起こる。適切な時期のスクリーニングと治療で失明の多くは予防可能である。
病態と分類
- Zone(部位):乳頭を中心とした同心円で規定。Zone I(後極)が最も重症化しやすい。
- Stage(病期):1=境界線、2=堤(ridge)、3=堤上の網膜外線維血管増殖、4=部分網膜剥離、5=全網膜剥離。
- Plus病変:後極血管の拡張・蛇行。活動性・進行の重要指標。
- AP-ROP(aggressive posterior ROP):後極に急速進行する重症型。
- リスク因子:低い在胎週数・出生体重、酸素投与、全身状態不良。
スクリーニング
- 対象:一般に在胎30〜31週未満または出生体重1500〜1800g以下、および不安定な経過の児(各国・施設基準に準拠。日本でも基準あり)。
- 開始時期:修正週数・生後日数に基づき(概ね生後4週または修正30〜31週の遅い方)散瞳下に倒像鏡または広角眼底カメラで検査。
- 間隔:病変の位置・重症度に応じ1〜2週ごとに反復し、網膜血管が鋸状縁まで成熟するか退縮を確認するまで継続。検査は児への負担があり、疼痛・無呼吸・徐脈に配慮する。
治療
- 適応(type 1 ROP):Zone I の任意stage+plus、Zone I stage 3(plusなし)、Zone II stage 2/3+plus など、治療域に達した活動性病変。
- 網膜光凝固(レーザー):無血管領域を凝固し血管新生刺激を抑える標準治療。
- 抗VEGF薬硝子体内注射:Zone I・AP-ROPなど後極病変に有効で近年普及。ただし全身への影響や遅発再燃(血管化の遷延)があり、長期の慎重な経過観察を要する。用量・適応は施設方針・エビデンスに従う。
- 手術:網膜剥離(stage 4/5)には強膜内陥術・硝子体手術。進行例の視力予後は不良。
予後・フォローアップ
早期発見・適切な治療で重症化を防げば予後良好だが、ROP既往児は近視・斜視・弱視・後年の網膜剥離のリスクが高く、就学前後まで含めた長期の眼科フォローが必要。退院時に僚眼・両眼の完治確認とフォロー計画を家族に説明する。
まとめ
ROPは早産児の網膜血管異常増殖による失明原因で、Zone・Stage・Plus病変で重症度を評価する。鍵は基準に沿った時期・間隔のスクリーニングと、type 1に達した活動性病変へのレーザーまたは抗VEGF治療である。治療後も近視・斜視・網膜剥離を念頭に長期フォローを行う。
主な参考:ICROP3(国際ROP分類 第3版)/ETROP試験(早期治療基準)/BEAT-ROP(抗VEGF)/日本の未熟児網膜症診療基準。スクリーニング基準・治療適応の詳細は各国/施設指針・原著で確認されたい。
この記事は AI(手動(Claude+Web調査))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-07-22 作成)