角膜ジストロフィの分類 —上皮・実質・内皮で整理する

「層」で分けると覚えやすい

角膜ジストロフィは、両眼性・進行性・遺伝性の角膜混濁をきたす一群である。数が多く名前も紛らわしいが、障害される層(上皮/実質/内皮)で分けると診療の見通しがよくなる。IC3D 分類が国際的な整理として用いられる。

層別の主なジストロフィ

上皮・ボーマン層 実質 デスメ膜・内皮 上皮基底膜(EBMD) 格子状・顆粒状・斑状 Fuchs・PPCD
図1. 層別の整理。障害される層が病型と治療方針(表層か内皮移植か)を決める。

上皮・ボーマン層

  • 上皮基底膜ジストロフィ(EBMD / map-dot-fingerprint):最も多い。反復性角膜びらんの原因。地図状・点状・指紋状の所見。
  • Reis-Bücklers など:ボーマン層の混濁。表層の疼痛・視力低下。

実質

  • 格子状ジストロフィ(lattice):アミロイド沈着。枝分かれする線状混濁。反復びらんを伴う。
  • 顆粒状ジストロフィ(granular)境界明瞭な白色顆粒状混濁(ヒアリン)。透明部を残す。
  • 斑状ジストロフィ(macular):ムコ多糖沈着。びまん性に濁り透明部が乏しい。常染色体潜性で重症化しやすい。
  • 膠様滴状(gelatinous drop-like)ジストロフィ:日本人に比較的多い。アミロイドが桑実状に隆起し、若年から強い視力障害・羞明。再発しやすい。

内皮

  • Fuchs 角膜内皮ジストロフィ滴状角膜(guttata)と内皮減少。中高年、朝の霧視。(詳細は角膜内皮の記事参照)
  • 後部多形性角膜ジストロフィ(PPCD):内皮の異常。多くは無症状だが緑内障・水疱性角膜症を伴うことがある。

診断

  • 細隙灯:混濁のパターン・層・左右対称性。
  • 家族歴:遺伝性なので必ず聴取する。
  • 前眼部OCT・スペキュラー:層の同定、内皮の評価。
  • 遺伝子検査:TGFBI 遺伝子(格子状・顆粒状・Reis-Bücklers など)で確定できる病型がある。

治療

  • 反復性びらん(EBMD・格子状):人工涙液・高張食塩水・治療用コンタクトレンズ、難治例に前基質穿刺・PTK(治療的レーザー角膜切除)
  • 表層の混濁(ボーマン・前部実質)PTKで表層を削り視力・疼痛を改善(再発しうる)。
  • 実質の混濁が深い:層状または全層角膜移植(DALK/PKP)。移植後に同じジストロフィが再発しうる点に注意(特に膠様滴状)。
  • 内皮(Fuchs・PPCD):内皮移植(DSAEK/DMEK)。

関連リンク


主な参考:IC3D classification of corneal dystrophies(2nd ed.)/日本角膜学会の関連総説/EyeWiki "Corneal Dystrophy"。TGFBI 関連ジストロフィの遺伝子型と表現型は原著を確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)