オリジナル解説 / 角膜
マイボーム腺機能不全(MGD)と眼瞼縁炎 —慢性の目の不快感の主因
ありふれていて、見落とされやすい
「目がゴロゴロする」「夕方かすむ」「ドライアイの点眼が効かない」——こうした慢性の不快感の背景に、マイボーム腺機能不全(MGD)と眼瞼縁炎が隠れていることは多い。涙液の油層を作るマイボーム腺の障害は、蒸発亢進型ドライアイの最大の原因とされる。
病態
- 閉塞性MGD(最多):腺開口部の角化・閉塞と脂質の質的変化。マイバム(脂)が濁って硬くなる。
- 眼瞼縁炎:前部(睫毛根部:ブドウ球菌性・脂漏性)と後部(マイボーム腺:MGD)に分けられる。酒さ(rosacea)・脂漏性皮膚炎・アトピーが背景になる。
- 慢性の炎症は角膜にも及び、点状表層角膜症・カタル性角膜浸潤(周辺部の浸潤)を起こす。
診察のポイント
- 眼瞼縁の観察:開口部の閉塞・隆起、発赤、血管拡張、睫毛根部の鱗屑(collarette)。
- マイボーム腺の圧出(meibum expression):指やスパチュラで軽く圧して、出てくる脂の量・性状を見る。
- 涙液評価:涙液層破壊時間(BUT)の短縮、フルオレセイン染色。
- マイボグラフィー:腺の脱落(drop out)を可視化できる施設もある。
- 酒さ・皮膚所見の確認。
治療(土台は毎日のセルフケア)
- 温罨法(warm compress):40℃前後で数分、脂を溶けやすくする。市販の温罨具・蒸しタオル。
- 眼瞼清拭(lid hygiene):専用クレンザー・希釈シャンプーで睫毛根部と縁を洗う。前部眼瞼縁炎に有効。
- 人工涙液・涙点プラグ:涙液不足を補う。
- 抗炎症:症状が強い例で低濃度ステロイド点眼(短期)、免疫調整点眼。
- 抗菌:ブドウ球菌性・酒さではアジスロマイシン点眼や低用量テトラサイクリン系内服(抗炎症作用を期待)。
- IPL(intense pulsed light):MGD・酒さに用いる施設が増えている。
- 霰粒腫を繰り返す背景としてもMGDを治療する。
患者説明のこつ
MGDは「治す」より「付き合ってコントロールする」病態である。点眼だけでなく温罨法・眼瞼清拭を毎日の習慣にすることが改善の鍵で、「点眼が効かない」と感じる患者ほど、この土台の説明が効く。酒さがあれば皮膚科と連携する。
関連リンク
- マイボーム腺機能不全(MGD)ガイドラインのまとめ(めだまにあ)
- マイボーム腺機能不全(MGD)(オンライン眼科 Dr.K)
- 眼瞼縁炎について(眼科医ぐちょぽいのオンライン勉強会)
- 眼瞼清拭(がんけんせいしき)・リッドハイジーン(江坂まつおか眼科)
- マイボーム腺機能不全(油不足ドライアイ)対策のホームケア(中村眼科・松本)
主な参考:日本のドライアイ研究会・MGDワーキンググループの定義と診断基準/International Workshop on Meibomian Gland Dysfunction/EyeWiki "Meibomian Gland Dysfunction"・"Blepharitis"。薬剤の適応は添付文書に従うこと。
この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)