単純ヘルペス角膜炎 —樹枝状・実質型・内皮型の見分けと治療

なぜ独立して理解するのか

単純ヘルペスウイルス(HSV)角膜炎は、再発性で、病型ごとに治療(抗ウイルス薬 vs ステロイド)の使い方が正反対になりうる。上皮型にステロイドを主体で使えば増悪し、免疫反応主体の病型に抗ウイルス薬だけでは不十分になる。病型の見極めが治療の分岐点になる疾患である。

病型と所見

樹枝状びらん(末端に膨大部)— フルオレセインで緑染
図1. 上皮型(樹枝状角膜炎)の模式図。枝分かれと末端の膨大部が特徴。
  • 上皮型(樹枝状・地図状角膜炎):ウイルスの活動性感染。樹枝状のびらんがフルオレセインで染まり、末端に膨大部(terminal bulb)を伴う。角膜知覚は低下。→ 抗ウイルス薬が主体
  • 実質型(間質性角膜炎):抗原に対する免疫反応が主体。実質の混濁・浮腫・血管侵入。壊死性では上皮欠損を伴い重症化。→ ステロイド+抗ウイルス薬の傘
  • 内皮型(円板状角膜炎、disciform keratitis):内皮への免疫反応で円板状の実質浮腫・角膜後面沈着物、しばしば眼圧上昇。→ ステロイド+抗ウイルス薬
  • 神経栄養性角膜症:反復感染後の知覚低下による難治性上皮欠損。ウイルスは不活性で、角膜保護が中心。

鑑別として、帯状疱疹(VZV)による偽樹枝状角膜炎(膨大部がなく、盛り上がった粘液性のプラーク状)、細菌・真菌性、アカントアメーバを区別する。診断に迷えば角膜擦過のPCR・培養を検討する。

治療の原則

  • 上皮型抗ウイルス薬(アシクロビル眼軟膏の点入、あるいはバラシクロビル内服)。ステロイド単独は禁物。デブリードマンを併用することがある。
  • 実質型・内皮型ステロイド点眼で免疫反応を抑えつつ、抗ウイルス薬を併用して再活性化を防ぐ。ステロイドは急に切らず漸減する。
  • 眼圧管理:内皮型・ステロイド使用中は眼圧を追う。
  • 再発予防:再発を繰り返す例・角膜移植後などでは、バラシクロビル/アシクロビルの長期内服による抑制療法が用いられる(HEDS で上皮型・実質型の再発抑制が示された)。

フォローの視点

  • 知覚低下と神経栄養性の合併:治りが悪い上皮欠損は、感染の遷延と神経栄養性を分けて考える。
  • ステロイド依存:内皮型で減量すると再燃する例があり、最小維持量を探る。
  • 瘢痕と視力:中心に瘢痕を残すと視力が下がる。混濁が固定した例では角膜移植(PKP/DALK)を検討するが、移植後も再発予防の抗ウイルス薬を続ける。

関連リンク


主な参考:Herpetic Eye Disease Study(HEDS)/日本角膜学会の関連指針/EyeWiki "Herpes Simplex Keratitis"。抗ウイルス薬の用量・抑制療法の適応は添付文書と最新の総説を確認されたい。

この記事は AI(手動(Claude+収集記事))が作成した解説です。 正確性を保証するものではありません。診療上の判断は必ず一次情報・成書をご確認ください。 (2026-08-03 作成)